一般社団法人キャッシュレス推進協議会(以下、「当協議会」)では、国内外のキャッシュレスの動向について取りまとめた「キャッシュレス・ロードマップ」を毎年作成しております。この度、2024年版である「キャッシュレス・ロードマップ 2024」(以下、「本書」)を公表いたします。
※過去のキャッシュレス・ロードマップはこちらに掲載しております。
本書の策定・公表により、我が国におけるさらなるキャッシュレスの普及・促進に貢献できれば幸いです。ここでは、本書に今年度記載しているトピックのうち、主要な3点についてお伝えいたします。詳細は、ぜひ本書をご一読いただけますと幸いです。
当協議会では、今後も定期的に「キャッシュレス・ロードマップ」を策定・公表するとともに、会員とともに我が国のキャッシュレスの普及・促進に向け活動してまいります。
I. 2030年には50%達成の可能性も
我が国のキャッシュレス決済比率は、2023年に39.3%に到達いたしました。他国におけるキャッシュレス決済比率の成長度合いを振り返ると、40%から50%へ6年程度で到達しています。このことから、我が国においても2030年にはキャッシュレス決済比率50%に到達する可能性があり、また、昨今の技術の進展や普及の度合いを考慮すると、それよりも早く50%に到達する可能性も考えられます。
Ⅱ. 新しい決済手段の普及
諸外国では、キャッシュレス決済比率の算出において含まれない、A2A(Account to Account)決済と呼ばれる銀行の口座振込により決済を行う仕組みの利用が増えてきています。特に欧州やアジアにおいて、迅速かつ低価格な決済方法として実店舗における利用も進められています。
Ⅲ. 官民一体となったキャッシュレスの普及
本書では、キャッシュレスの普及に繋がった諸外国で実施された様々な施策の紹介、分析を行っています。これら施策では、「政府によるリーダーシップと連携」「時代にあわせた法規制の変化」「行政主導の共通基盤の存在」が共通して存在し、官民が一体となった動きが見られます。キャッシュレスが普及する中、これまで個別サービスの発展が中心であったキャッシュレス決済において、社会インフラとしての要素を重視する動きとも見て取れます。今後、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の可能性もある中、我が国の決済に関する取組に向け本書が参考になれば幸いです。